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家には、どんな工法があるの?

家を建てると言っても、色々な工法があります。じゃあどんな工法があって、どんな長所、短所があるのか。建材の種類や工法によって、それぞれ良い所もあれば、不得意な所もあります。いまさら、どう違うのか聞けないと言われる方もおられると思います。そこでよく用いられる工法から一部紹介したいと思います。

木造在来工法
日本古来からの伝統的な住宅建築工法で、「軸組工法」とも呼ばれます。土台、柱、筋交いなどを基本とし、上からの重量や地震など横からの揺れを支えます。近年は建築基準の強化や各種の補強工法の普及により、強度や耐震性なども全く問題ない工法と言えます。
長所
  • 敷地の形状に応じて設計の自由度が広がる
  • 間取りデザインなど制約が少ない
  • 比較的に広い開口部が設置できる
  • 予算に応じた施工が可能
  • 他の工法に比べ、リフォームなどがしやすい
  • 日本の気候風土に合っているので居住性が高い
短所
  • 他の工法に比べ工期が少し長くなる事がある
  • 施工する人により施工に違いが出る
2x4工法
アメリカ、カナダで開発された工法で「枠組壁工法」「2×4工法」などと呼ばれます。基本的に2×4インチ(5×10㎝)の断面の木材で作られた枠組みに、構造用合板を釘打ちした木製パネルを組み合わせて床、壁、天井などの面を構成し、上からの重量や地震などの横からの揺れを支えます。釘により組み立てる工法なので、釘の種類、本数などが構造強度の面で重要になります。
長所
  • 構造部材が規格化され、ばらつきが少ない
  • 職人の技術に左右されにくい
  • 工期が短い
  • 耐震性、耐火性が安定している
短所
  • 在来工法に比べ開口部が制限される
  • 在来工法に比べ設計の自由が少ない
パネル工法
床、壁などの構造体をパネルとして工場生産した後、現場に搬送して組み立てる工法です。主要構造部材の種類により「木質パネル」「鉄鋼系パネル」「コンクリート系パネル」などに分かれます。最新技術を導入した工場で生産されるため、部材品質のばらつきが少なく、職人の技術に左右されにくいので、施工むらは起こりにくいのですが、外観のデザインなどが比較的制約されやすい工法です。また工場生産のため、現場作業が少ないので工期が比較的に短縮されます。
長所
  • 部材品質のばらつきが少ない
  • 職人の技術に左右されにくい
  • 工期が短い
  • 耐震性、耐火性が安定している
短所
  • 在来工法に比べ間取りやデザインが制限される
  • パネルが搬送できる敷地が必要
ユニット工法
住宅を複数のユニットに分け、仕上げに近い段階まで工場生産した後、現場に搬送し組み立てる工法です。構造部材の種類により「木質ユニット」「鉄骨ユニット工法」などに分かれます。工場内で完成に近い工程まで生産されるため、部材品質のばらつきが少なく、職人の技術に左右されにくい工法です。その一方で間取り変更がしにくいというデメリットもあります。また工場生産のため、ほかの工法に比べて工期が短いなどのメリットがあります。
長所
  • 工期が大幅に短縮される
  • 部材品質のばらつきが少ない
  • 職人の技術に左右されにくい
  • 耐震性、耐火性が安定している
短所
  • 在来工法に比べ間取りやデザインが制限される
  • ユニットが搬送できる敷地が必要
RC在来工法
柱、梁、壁、床など構造体に鉄筋コンクリートを使用した建築工法。「鉄筋コンクリート造」と呼ばれます。上部及び、床など支える「壁式工法」と、柱、梁等で支える「ラーメン方式」等に分かれます。十分な品質管理が行われた場合、耐久性に優れていますが、現場施工のため工期が比較的長くかかります。また、構造体の重量が重いため軟弱な地盤においては杭打ち等特殊な基礎工事が必要となります。どちらかと言うと中高層の建築物に適していると思います。
長所
  • 他の工法に比べ耐火性が優れている
  • 外観などの形を比較的自由にできる
  • ラーメン工法では広い開口部の設置が可能
短所
  • 他の工法に比べ工期が長くかかる
  • 施工者の管理次第で耐久性に影響が出る
  • 地盤の状態により不経済な場合がある
  • 壁式工法では間取り、開口部などの制約がある
鉄骨軸組工法
柱、梁などの構造体に鋼材を使用した建築工法で「鉄骨造」と呼ばれます。構造体の鋼材に厚さが6mm以上の物を「重量鉄骨造」6mm未満の物を「軽量鉄鋼造」と呼びます。また構造の種類により、ラーメン工法・ブレース工法などに分かれます。一般的に、ハウスメーカーにおいては「軽量鉄骨造」が多くメーカー独自の工法・構造を開発し採用しているところが多いようです。
長所
  • 耐震性・耐風性に優れている
  • 十分な防錆処置をしてあれば耐久性に優れている
  • 部材品質のばらつきが少ない
  • 施工者の技術に左右されにくい
  • 間取りデザイン等の制約が比較的少ない
短所
  • 在来工法に比べリフォーム等が難しい
  • 重量鉄骨では地盤により不経済な場合がある
丸太組工法
丸太などの木材を組み重ねた壁を構造体とする住宅建築法で「ログハウス」と呼ばれています。北米や北欧などで普及している工法の一つですが、別名「校倉造り」とも呼ばれ東大寺正倉院などにみられるよう、日本でも古くから用いられてきた建築工法の一つです。加工組立を手作業で行う「ハンドカット」、械加工する「マシンカット」などがあります。メンテナンス次第では半永久的な耐久性が期待できますが、他の木造工法と比べると割高になるようです。
長所
  • メンテナンス次第で、耐久性が期待できる
  • 耐震性に優れている
  • 断熱性、遮音性に優れている
短所
  • 他の木造系工法に比べやや割高になる
  • 他の工法に比べ工期が長くかかる
  • 開口部の大きさが制約されやすい
  • 準防火地域など、建築可能な地域の制限を受けやすい

家の工法も色々あります。長所・短所もあります。それぞれの性質を良く知って、将来の事も考えながら工法を選ぶといいと思います。ひらお建築では、木造在来工法を採用しています。間取りの取りやすさ、日本の風土に合った性質、将来のためのリフォーム・メンテナンスのしやすさなどを考えると、私たちは木造在来工法を、お勧めしたいです。