母屋に長屋、蔵とバラバラだった生活空間を一つにまとめ、暮らしやすく間取りを再構築。大切に住み継いだ日本家屋が太陽光発電の導入で、エコで快適な住まいに生まれ変わりました。
「こちらからどうぞ」と、勝手口から招き入れてくれたのは、この家の住まい手のNさん。通されたダイニングキッチンで最初に目を奪われたのが、幾重にも重なった立派な梁でした。「天井を剥がしたら出て来た」という梁は、築70年以上というNさん邸の歴史を物語るようで見る者を圧倒します。
古き良き時代の佇まいを残す、日本家屋にお住まいだったNさんがリフォームを思い立ったのは、お子さんの誕生がきっかけでした。「エアコンを24時間可動にしたら、冬場の光熱費がものすごく跳ね上がって」と、おっしゃる奥さま。電気、灯油、ガスなども合わせると、驚くほどの請求額になっていたそうです。そこで、まず相談したのが奥さまの友人でもあった、平尾建築さん。当時、一番気になっていたお風呂場のリフォーム相談をしたところ、早速図面を用意しもらい、せっかくなら、太陽光発電も導入したい、リビングに床暖房を入れて……、相談していくうちに、ほとんどの場所に手を入れることに。「住み続けながらリフォームしてもらえたので、助かりました」と言うように、施工場所が変わる度に家財道具を移動して養生して、といったことを繰り返しながら工事を進めてくれたそう。
梁や和室の天井に残る網代など、元々あった良いものを上手に取り入れ、モダンで快適な住まいへと生まれ変わったNさん邸。奥さまは、ママさん同士の集まりに「どうぞ我が家を使って」と言えるようになったのが、何より嬉しいそうです。
なんでも課 平尾恵美子